なにかしたかった一日。
今日めずらしく予定があった。
友人とのご飯会だ。
数少ない友人のお宅にお呼ばれしていたのだ。
時間は12時。
私はレジを打っていた。
予定を勘違いして覚えていたのだ。
それがわかったのは、友人からの丁寧な、来るときには~…のメール。
やらかした。
私は即座に、こっそり(店番だったため)携帯を確認。
やらかした。
私は食事会をとても楽しみにしていた。
不定休だからと、あらかじめ上司に、この日は…!とお願いし、
有給をもらい、ネイルを整え、髪も染めに行った。
久しぶりに会うからと、
私は新天地でちゃんと充実した日々を送ってるぞ。と。
そう思ってもらいたかったのだ。
それで昔話に花を咲かせて、前の職場の愚痴なんか言って。
そんな充実した一日をおくる予定だったのだ。
現実はどうだろうか。
買った商品をすぐに別の商品に交換してくれという奥様に詰め寄られている。
(マスクは衛生用品だからだめといっても聞いてくれやしない)
明後日。私は食事会だと思い込んだ日。
なんの予定もなくなった、何もない日。
髪も爪も肌のコンディションだって確認していた。
鼻の下のニキビは御愛嬌だ。マスクでわかりゃしない。
どうせ外すが。
そんなことを考えていたのに。
私は友人に嘘をついた。
会社とかで使う人をよく聞くあれ。
親戚が亡くなって~…ってやつ。
そんな直前に都合よく死ぬ親戚なんかいやしない。
ましてや葬式に出たいと思える親戚なんていない。
私にいるのは、少ない私の手取りを搾取し続けるオヤとキョウダイだ。
給料日となりえる日程を確認し、タイミングを見計らって
金の話を振ろうとする亡者、ハイエナたちだ。
話がそれた。
なんだっけか。
そうそう、予定を間違って覚えていたという話。
まあ今となっては、仕方ないとどこか思っている。
私は忘れっぽいのだ。
時間。場所。持ち物。名前。宿題。
人の名前なんて学生時代はひたすらに困った。
クラスメイトの名前の名前を全て把握するのに一か月以上はかかった。
専門校みたいなところなので人数は他の学校よりも少ないのに。
クラスメイトはみな優しく、話しをする前に必ず名乗ってくれた。
自分は他人に興味がないのか。
それは違うと思っている。私の趣味は人間観察だからだ。
なんの根拠と思えるだろうが。
その他も忘れたくて忘れているわけではない。
宿題以外は、罪悪感に駆られている。
予定を忘れてしまったがゆえに嘘をついてしまったこと。
時間をわすれてしまったがゆえに相手の時間を奪ったこと。
持ち物をわすれてしまったゆえに作業を一瞬でも滞らせてしまったこと。
今日も本当は何かしたかったのだ。
仕事はしていた。
でもそれは私の予定にはカウントされない。
私のみられるまでには整えた姿はおじゃんだ。
今回の食事会以外に予定はない。
そうして今日も私の完璧ではない一日が終わる。
明日は仕事。
明後日は休日。
溜息。
次は忘れやすい私の、忘れないための対策でも語ろうかな。